12月に差し掛かる頃から街の景色はクリスマス一色になる。
この時期は昼よりも夜に出かけたくて仕方ないほど街は鮮やかに
彩られ、電車の待ち時間すらも退屈ではないのだ。

尤も、今は愛しい彼と一緒なのだから退屈よりも
時間を惜しむ気持ちのほうが大きいのだが…

「この辺の高校生の作品みたいだな」
明るく光る半球ドームを覗き込みながら駅へと歩く足を止めた二人
ドームの台座に記された学校名、学年等から口にした西方に対し
竜介は作品自体に夢中だった。
「…?」
「ここ、学校の名前とか書いてある」
人差し指でプレートを撫でるように沿って
広場に設置されたドーム状の作品を暫く堪能する。



「竜介、じか っ
「ぁ、はい ッ
呼ばれて振り返った可愛い恋人の鼻先が僅かに触れ
二人の時を一瞬止めて、また動き出す。

冷えた鼻先、温かい息…抱き寄せればゆっくりと伝わる体温…

無意識に右手を竜介の頬へと寄せていた。
「西方さん?」
「帰さないと…ヤバイよね」
「へ?」
「ビジネスばっかりだけど…部屋…空いてるかな?」
まさか実家暮らしの竜介の部屋に泊まるわけにもいかず
翌日のスケジュールを考えても今夜中に帰った方が
身体も楽だろうと話しをしたのが1時間前。
自分の意思の弱さに笑いが出てきそうな気分になっていると
目の前で俯く竜介が
「…僕、朝弱いけど…ぉ、おいて行かないで下さいね…?」
小さく了解を出してくれた。



11.12.03